内視鏡の基礎知識ブログ

大腸カメラ検査にかかる時間はどれくらい?検査の流れも解説

大腸カメラ検査にかかる時間はどれくらい?検査の流れも解説

今回は大腸カメラ検査の所要時間についてご説明します。大腸カメラを受けたいけれど、実際にどのくらいの時間がかかるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、事前の下剤内服を含めると4時間~7時間程度が目安です。なぜ、ここまで所要時間に幅があるのかというと、下剤の内服方法によって大きく変わってくるからです。

この記事では上野消化器内視鏡クリニックでの方法をベースに大腸カメラ検査にかかる時間について詳しく解説します。

大腸カメラ検査の流れも含めてまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

大腸カメラ検査にかかる時間

大腸カメラ検査にかかる時間

先述したように、大腸カメラ検査全体でかかる時間には4~7時間程度と幅があります。この違いはどこから生じるのでしょうか。詳しく説明していきます。

大腸カメラ検査には事前の下剤内服が必要

大腸カメラ検査は、検査前に2L程度の下剤を内服し腸管洗浄を行う必要があります。下剤を内服し、腸内がきれいになって初めて検査を行うことができるのです。

そのため、ここでいう大腸内視鏡検査の所要時間には、「下剤内服」→「内視鏡検査」→「検査後休憩」→「結果説明」→「会計」といった一連の流れを含んでいます。

検査自体は15~30分程度

実際に大腸の中に内視鏡を挿入している大腸カメラ検査自体の時間は15分程度です。

ポリープなどの異常が見つかり、ポリープ切除などが必要な場合は、さらに時間がかかる可能性がありますが、それでも長くても30分程度です。

また、実際には鎮静剤により寝ている状態で大腸検査を行うことがほとんどです。そのため、鎮静剤の効果が切れるのに30分程度は必要なことを考えると、検査が15分で速やかに終わったとしても、30分かかった時と比べて結局はあまり差がありません。

では、内視鏡の検査それ自体では所要時間に差がでないとすると、どこで違いが生じるのでしょうか。

検査前の下剤の飲み方で所要時間は大きく変化する

大腸カメラ検査でもっとも所要時間を必要とするのは「検査前の下剤内服による腸管洗浄」です。

検査前の下剤の飲み方には「家で下剤を飲んでから来院する方法(院外下剤)」と「クリニックに来院してから下剤を飲む方法(院内下剤)」があります。

下剤を飲み始めると1時間程度で便意を催し、排便が始まります。その後は「下剤を飲んで排便する」という流れを繰り返していきます。

概ね2時間30分~3時間程度で便からカスがなくなり、きれいになります。この時点で検査可能になり、下剤内服は終了になります。しかし、下剤を飲むのをやめたからといって、まだ飲んだばかりの下剤はお腹の中に残っています。

クリニックで下剤を飲んでいる方は、便がきれいになった時点で検査の準備にはいります。もしも便意があっても、すぐにトイレにいけますし、腸の中に残っている下剤は、検査中に内視鏡で吸引してしまうので、漏らしてしまうこともありません。

しかし、家で下剤を飲んでくる場合は、飲み終わった後にクリニックまで移動する必要があります。そのため、便がきれいになったとしても、便意があるうちは家で待機している必要があります。

先述したように腸内洗浄自体は2時間30分~3時間程度で終わりますが、便意が落ち着くまでには、さらに1時間程度かかることもあります。

そのため、当院ではクリニックに移動する時間も考慮し、家で下剤を内服する場合には、検査の5時間前から下剤内服をお願いしています。

大腸カメラ検査全体に必要な時間は4~7時間

以上をまとめますと、クリニックで下剤内服する「院内下剤」の場合は、下剤内服から検査まで2時間30分程度であるのに対して、家で下剤内服する「院外下剤」の場合は、5時間必要ということになります。

これに加え、内視鏡検査自体の30分、検査後の休憩や着替えに30分、結果説明と会計に30分が必要です。合算すると院内下剤では4時間程度、院外下剤では6時間30分程度必要になります。

院内下剤と院外下剤の選び方

院内下剤と院外下剤の選び方

前述したように、大腸カメラ検査の前の下剤の飲み方には、クリニックで下剤を内服する院内下剤と、家で内服してくる院外下剤の2種類があります。

ここでは、それぞれのメリットやデメリットを簡単に説明します。

来院に時間がかかる方は院内下剤を

まず、詳しく説明する前に、特にクリニックで下剤を飲む院内下剤をおすすめしている方がいます。

それは来院に時間がかかる方です。特に1時間以上かかる場合は院内下剤が好ましいです。

院外下剤の一番のデメリットは移動の最中に便意が来るのが心配というものです。実際には下剤を内服してから3~4時間以上経過すると、便意はそこまで強くなく、お尻をしめれば簡単に我慢できる場合が多いです。

しかし、家での下剤内服が遅れたりした場合、家からクリニックまでの道中で便意が来る可能性はあります。

そのため来院まで1時間以上かかる場合は、安全のためにもクリニックに来院してから下剤を内服した方が良いかと思います。

院内下剤のメリット

それでは院内下剤のメリットからご説明します。

院内下剤の大きなメリットは「所要時間が短縮できる」ことと「来院したら全てお任せできる」ことです。

「所要時間」については前述したように、下剤による腸管洗浄が完了すれば、すぐに検査ができため時間を短縮できます。院外下剤が7時間程度かかるのに比べて、院内下剤では自宅からの移動時間+4時間程度で検査が可能です。

また「来院したら全てお任せできる」ことも魅力です。家で下剤を飲む場合は、自分で下剤を作る必要があったり、下剤の飲み方なども手順書を見ながら行ったりする必要があります。

院内下剤の場合は、とりあえず来院していただければ、あとは看護師がやり方を適宜説明するため、あまり細かく考える必要がなく、余計な不安がなくなります。

これらのメリットから、院内下剤は検査が初めての方や、色々と考えるのが面倒くさい方、半日で全てを終わらせたい方などにはおすすめの方法です。

一点補足しておきますが、下剤を作ると言っても、キットに水を入れて振るだけですので、難しいものではありませんし、下剤の飲み方も言うほど複雑なものではありません。

そのため、初めての大腸カメラ検査の方であっても院外下剤をお選びいただくことは何も問題ありません。

院外下剤のメリット

一方、院外下剤のメリットには「院内の滞在時間を減らせる」、「自宅で自分のペースで準備できる」、「検査時間の自由度が大きい」ことなどがあります。

院外下剤では便がきれいになった後も便意が落ち着くのを待つ必要があるため、所用時間全体でみれば長くなりますが、クリニックにいる時間は1時間30分程度まで減らすことが可能です。

これはお子様がいる場合などで、家を空けられる時間が決まっている方には非常に大きなメリットになります。

また、院外下剤は家などのプライベートスペースで下剤を内服できるため、他の用事を行いながらの下剤内服が可能です。

当院でも下剤内服スペースにフリーWi-fiや電源などもそろえ、患者さん毎に専用のトイレを用意し、可能な限りリラックスして過ごせる環境を提供するよう努めていますが、yはる自宅で過ごすのには敵わないでしょう。

そして、もう一つのメリットとして、「検査時間の自由度の高さ」があります。

院内下剤の場合は、来院時間と検査時間の枠があらかじめ設定されています。例えば「朝8時30分に来院して開始」といった具合です。これを9時から、あるいは10時からにしたい、といった希望には対応できません。

院外下剤の場合は、完全に自由ではないですが、比較的時間の調整が可能です。例えば、下剤を家で飲んできて、朝一番で検査をしたいといったことも可能です。

以上のように、院内下剤や院外下剤にはそれぞれの強みがあります。大腸カメラ検査の質自体にはあまり関係がないので、ご自身の都合で決めていただいて全く問題ありません。

大腸カメラ検査にかかる時間を短くするには

大腸カメラ検査にかかる時間を短くするには

上記のように、どうしても大腸カメラ検査は腸管洗浄という過程があるために半日から一日がかりの検査になってしまいます。

その中でもなるべく時間を短縮する方法はあるのでしょうか。

残念ながら、極端に短縮する方法はありませんが、一日の時間をより有効活用できるようにするための方法をいくつかご案内いたします。

鎮静剤を使用しない

シンプルに時間を短縮するために最も有効なのは鎮静剤を使用しないで、起きた状態で大腸カメラ検査を行うことです。

検査時に鎮静剤を使用した場合、検査終了後に麻酔が切れるまでの時間が省略できるので、30分程度の短縮は可能です。

ただ、私自身は鎮静剤の使用をおすすめしています。これは自分の検査手技に自信がなく、大腸カメラ検査により痛みを引き起こしてしまうことを危惧している訳ではありません。

いくら私が行う大腸カメラ検査が苦しくないと言っても、一般的な大腸カメラと比べての相対的な話でしかありません。

大腸は患者さんごとに屈曲の仕方や、硬さが違うため、内視鏡を挿入する難易度に大きな差があります。

特に帝王切開や虫垂炎などの腹部手術歴がある方は腸管が癒着していることも多く、どうしても多少の不快感や痛みが出てしまう場合はあります。

このような検査時の不快感は鎮静剤を使用することで解決できます。いずれにしても手技が上手な医師が、鎮静剤を使用して行う検査が一番楽なことは間違いありません

数時間のうちの30分短縮するよりも、検査時の負担を少しでも減らして、楽な検査をうける方が重要だと私は考えています。

検査前の食事内容により注意をはらう

大腸カメラ検査では検査前の下剤内服による腸管洗浄に一番時間がかかります。

この時間を短縮するには、前もって腸管内の便を少なくし、さらに流れやすい状態にしておくのが理想です。

前日の食事内容をより消化に良いものにすることをこころがけ、量も少なめにし、水分をしっかりと摂取しておくことが重要です。

検査用の食事セット(別途購入可能)を利用しても良いですし、普段も便秘がちの方は3日ぐらい前から食事に注意することも効果があります。

もちろん、早く腸管内がきれいになったからといって検査時間を前倒しできる訳ではないですが、空いた時間は自分の自由時間として利用できます。

朝早く起きて下剤内服を行い、朝一番で検査する

当院の患者さんでも、朝一番の検査を希望される方が意外に多いです。こちらも検査時間の短縮にはなりませんが、日中の自由時間を長く確保することができます。

早朝の4時や5時に起床し、下剤内服を開始し、9時や10時から検査を行う方法です。この場合、早ければ10時過ぎには会計を終えて帰宅可能です。

どうせなら午前中早めに検査を終わらせてしまい、早く仕事に行きたい方や、日中の自由時間を増やしたい方、夜勤メインで日中眠る必要がある方などにはおすすめです。

検査が早い時間に終わるので、昼食なども普段通り食べられるのもメリットです。当院は平日であれば8時30分から、土曜日であれば9時からの検査が可能です。

まとめ

大腸カメラ検査は内視鏡検査自体は15~30分程度で終了しますが、準備まで含めると全部で検査当日に4~7時間の時間を要します。

所要時間の違いは検査前の腸管洗浄の方法の違いから生じます。クリニックで下剤内服をする方が時間の面では優れています。

ただ、院内下剤、院外下剤ともに良い点があるので、所要時間以外の面からも比較し選んでいただくことをおすすめします。

上野消化器内視鏡クリニックでは、クリニック内でもリラックスして下剤を内服できるように、個々のスペースや個人専用のトイレなどをご用意しております。

また、当院の内視鏡室にはAIやブルーライトなどを含む最先端の設備を導入しており、消化器内視鏡学会専門医の熟練した医師が丁寧に検査を行っています。

これにより、質が高く苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供しているので、大腸カメラ検査に不安がある方もぜひ当院まで一度お気軽にご相談ください。

【参考】大腸カメラ検査の流れ

大腸カメラ検査の流れ

最後に上野消化器内視鏡クリニックの大腸カメラ検査の流れを解説します。参考にしてください。

  1. 事前診察
  2. 前日
  3. 当日の朝
  4. 下剤の内服
  5. 検査
  6. 検査終了
  7. 結果説明

事前診察

大腸カメラ検査を受けるためには、事前診察が必要になります。

この事前診察では、現在の患者さんの状態を確認させていただき、検査実施可能かなどを判断します。また、検査前の下剤の内服方法を指導するとともに検査日程を調整します。

上野消化器内視鏡クリニックでは直接外来を受診する方法と、オンライン診療を受診する方法の2通りから選択可能です。

大腸カメラ検査を行ったことがない方であれば、直接クリニックに来院していただくことをおすすめします。対面で色々と細かいことなどをお伝えできるので、検査前の不安なども解決できます。

大腸検査を実施したことがあり、特に検査前の準備などに不安がない方はオンラインでも受診可能です。

オンライン診療の場合、事前に内服していただく下剤を郵送する場合は、別途郵送料が必要なことにご注意ください(600円程度)。

郵送ではなく、オンライン診療終了後に下剤だけ検査前にクリニックに直接取りに来ていただくことも可能です。

前日

大腸カメラ検査の前日は「消化しやすい食事」と「寝る前の下剤内服」を忘れないようにしましょう。

前日は朝食・昼食・夕食、間食含めてすべて消化しやすいメニューにします。

消化しやすいメニューの例としては、うどんやそうめん、おかゆ、脂肪の少ない白身魚、鶏ささみ、卵、豆腐、バナナなどが挙げられます。

事前診察の際に参考メニューが記載された資料をお渡しするので参考にしてください。

夕食は21時までに済ませ、それ以降は水やお茶などの飲み物だけ摂取可能です。

上野消化器内視鏡クリニックでは大腸カメラ検査専用の検査前食も用意しているため、前日の食事内容に悩む方はお気軽にご相談ください。

そして夕飯後に事前診察でお渡ししている「錠剤の下剤」を内服しましょう。内服すると翌日の朝から腸の動きが活性化し、事前準備が速やかに行うことができます。

当日の朝

大腸カメラ検査当日の朝は何も食事をとりません

脱水を防ぐために、水やお茶、スポーツドリンクなどの透明な飲み物は積極的に摂取しましょう。

また日頃から飲んでいる薬がある場合は、事前診察の際の医師の指示に必ず従います。

特に血液をサラサラにする薬や糖尿病の薬は個人個人で対応がことなるので必ず確認をお願いします。

下剤の内服

大腸カメラ検査では、検査前に自宅または院内で下剤を内服する必要があります。

自宅で内服する場合は検査の5時間前から内服を開始し、検査が始まる10分前までに来院してください。

院内で内服する場合は決められた時間までに来院し、医師や看護師の指示に従って内服しましょう。

また大腸カメラ検査で鎮静剤を使用する場合は車、バイク、自転車の運転ができないため、公共交通機関の利用またはご家族に送迎してもらってください。

検査前の準備

検査前は個別スペースに入り、ロッカーに荷物を置いて検査着に着替えます。

検査で鎮静剤を使用する場合は、検査前に点滴を確保します。

準備ができたら、ストレッチャーに乗ったまま検査室まで移動します。

検査

これは先述した通りです。大腸カメラ検査自体は15分~30分程度で完了します。

鎮静剤を使用する場合はウトウトした意識がない状態で検査をするので、気づいた時には検査が終わっていることが多いです。

検査終了

検査終了後、ストレッチャーで個別スペースに戻り、一定時間安静にします。

鎮静剤の効果が切れるまで(目安としては30分程度)、ゆっくりお休みいただけます。

その後、鎮静剤の効果が切れたら着替えをして、待合室に移動しましょう。

結果説明

大腸カメラ検査の結果について、医師から説明があります。

組織採取やポリープ切除などを行った場合は、病理検査の結果が出るまでに2週間ほど時間がかかるため、また日をあらためて来院しましょう。

しかし、病理検査が必要な場合でも内視鏡所見から「ポリープが良性か悪性か」、「現時点で何が疑われるか」といった大まかな見通しはその場でわかりますので、ご安心ください。

検査結果を説明後に受付で会計をして終了となります。