食道がん

食道がんについて

つかえ感食道がんには2種類あります。一般的な扁平上皮がんと、胃と食道の境目にできるバレット食道から生じる腺がんがあります。欧米では腺がんが非常に多いのですが、日本では扁平上皮がんが多いです。
食道は他の臓器よりも粘膜が薄いため、がんが進行すると、すぐに食道の外に飛び出して、他の臓器に浸潤し、多臓器に転移してしまいます。
そのため、早期発見・早期切除が重要ですが、進行が早いにも関わらず、初期段階では無症状であり注意が必要です。

食道がんの原因

最も食道がんのリスクを増加させることは飲酒と喫煙です。食道がんの患者の75~90%は飲酒か喫煙の習慣があります。特にアルコールに弱い人の多量飲酒は非常にリスクが高いです。逆に野菜や果物を摂取している人は、食道がんのリスクが減ることが知られています。
また、バレット食道に生じる食道腺がんでは、逆流性食道炎がリスクになります。

食道がんの症状

食道がんの症状のほとんどは嚥下(のみこみ)に関連しています。

  • のどのつかえ感、狭窄感
  • 嚥下困難(のみこみにくい)、のどの異物感
  • のどがしみる
  • 声のかすれ
  • のど、背中や胸に痛みがある
  • 体重減少

しかし、初期段階の食道がんは無症状です。
実際に、初期の食道がんの70%は無症状で検診などによる胃カメラ検査で発見されています。無症状であっても、胃カメラ検査による定期検査をおこなうことが大切です。

食道がんの検査

胃カメラ検査

食道がんの早期発見には胃カメラ検査以外の方法はありません。CT検査や食道造影検査で見つかる時には、すでに腫瘍は大きくなり、進行していることがほとんどです。食道がんは無症状で進行していき、進行も早いがんです。無症状であっても、特に飲酒や喫煙をしている方は、定期的に胃カメラ検査をうけることが重要です。
当院では胃カメラ検査の際に苦しくならないように様々な工夫をおこなっています。今まで胃カメラが苦手だった方も、安心して検査を受けることが可能です。

胃カメラについて

食道がんの治療

食道がんは初期の段階であれば、内視鏡による治療が可能であり、治療前と同じ生活を送ることが出来ます。しかし、進行してしまうと、手術による外科切除や、抗癌剤・放射線照射を併用した化学放射線療法などが必要になります。内視鏡治療とその他の治療では身体にかかる負担や、治療後の生活が大きく異なります。
定期的に胃カメラ検査を行い、内視鏡で切除できるうちに見つけ、治療を行うことが大切です。