いぼ痔(痔核)

いぼ痔(痔核)について

いぼ痔いぼ痔とは、長時間のデスクワーク等で、直腸や肛門の血液がうっ滞し、静脈がいぼのように腫れあがっている状態です。
肛門の内側にできる「内痔核」と、肛門の外にできる「外痔核」の2種類があります。内痔核は痛みがないですが、外痔核は痛いなど、発生する場所が違うために症状が異なります。

いぼ痔の原因

内痔核、外痔核のどちらも原因は同じです。便秘などによる排便時の強いいきみや、長時間のデスクワークにより、肛門周囲の血管に圧力がかかり、血行が悪くなってしまいます。血液がたまってしまうことで、静脈がいぼのように腫れあがります。また、過剰な飲酒は血流の乱れを生じさせ、いぼ痔の危険を高めます。

いぼ痔の症状

内痔核と外痔核で症状が異なります。
内痔核は、歯状線という肛門の境目よりも内側に生じる痔核のことです。ここの粘膜には知覚神経(痛みを感じる神経)が通っていないため、痛みを感じることは少なく、排便時の出血が主症状です。重症化すると大量出血をおこしたり、肛門から飛び出し、手で押し込んでも戻らなくなったりすることがあります。

一方で外痔核は、肛門の外側の皮膚の部分にできます。皮膚は粘膜と違い、知覚神経が通っているため、痔核が膨らむことにより、神経がのばされ、痛みを感じます。急性の炎症により血液の塊である血栓ができると、急激に大きく腫れ、激しく痛む血栓性外痔核が生じます。

いぼ痔(痔核)の検査

いぼ痔の観察には肛門鏡検査や大腸カメラ検査をおこないます。特に、大腸カメラ検査は、いぼ痔以外の隠れた病変も見つけることができるため、一度は受けておきたい検査です。

大腸カメラについて

いぼ痔の治療

内痔核であっても外痔核であっても、治療の中心は薬物療法と生活習慣の改善です。便秘では便が硬く、排便時に強くいきむ必要があるため、便を柔らかくする薬を処方し、同時に排便習慣や食事習慣、運動習慣などの改善を目指します。痛みや炎症がある場合は坐薬や軟膏を併用します。
その他にも、座りっぱなしなど肛門に負担をかける姿勢を避けることや、腰などの下半身の冷えないように生活習慣を見直すことが効果的です。
このような保存治療で改善できない場合は、手術による切除などを行います。近年、ALTA療法(ジオン注射)という痔に直接薬剤を注射するという治療法もでてきています。
※当院ではALTA療法(ジオン注射)は実施していません。