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胃カメラで死ぬかと思った!検査で苦痛に感じることや楽になるコツを紹介

胃カメラで死ぬかと思った!検査で苦痛に感じることや楽になるコツを紹介

日々診療を行っていると、胃カメラに対して「苦しい」「つらい」といったネガティブな印象を抱いている方が多くいらっしゃることに気づきます。

残念なことに、実際に以前の胃カメラの際に苦しい思いをされた方が少なくないのも現実です。インターネット上には「胃カメラで死ぬかと思った」「胃カメラはつらい」などの書き込みも多くみられます。

これから胃カメラを受けようとしている方の中には、そのような方の口コミや書き込みを見て、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

ただ、まず知っていただきたいことは、胃カメラの苦痛の程度は、医療機関や検査を担当する医師、使用する内視鏡機器によっても大きく異なるということです。

適切な方法で胃カメラをおこなえば、検査時の苦しさをぐっと減らすことができます。

ここでは、胃カメラで苦痛に感じる原因や、苦痛を回避し、楽に検査をうけるためのコツや、当院での取り組みを紹介します。

胃カメラで死ぬかと思った!検査で苦痛に感じることは? 

胃カメラで死ぬかと思った!検査で苦痛に感じることは?

そもそも胃カメラで苦しい経験をしたことがある方は、どのようなことに苦痛を感じていたのでしょうか。

ここでは、胃カメラの検査で苦痛に感じる原因を紹介します。

嘔吐反射

嘔吐反射とは、胃カメラが舌の上を通ったり、喉の奥にスコープが触れたりする際にオエッとえづいてしまうことです。

嘔吐反射は、本来、体を保護するための防衛反応であり、喉に異物が触れたときに異物が食道に入らないようにするために起こります。

嘔吐反射は個人差も大きいですが、年齢が若い人の方が反射が強い傾向があります。反射が強い方は口の中に内視鏡を少し入れるだけで、すぐにオエっとなることも多いです。

一旦、嘔吐反射が起きると、その動きにより、また喉に内視鏡があたってしまい、新たな嘔吐反射が生じるという負の連鎖に陥ってしまいます。

また、嘔吐反射が頻回におこると、単純に苦痛だけでなく、胃が活発に動いたり、患者さんが苦痛で動いてしまったりすることで、検査の質が大きく損なわれ、場合によっては胃カメラの続行が難しくなる場合もあります。

嘔吐反射は生体反応のひとつなので、完全になくすことは難しいですが、軽減する方法はあります。検査時は、内視鏡をなるべく意識せずに、鼻から息を吸って、ゆっくりと口からハーっと吐き、力を抜くことが大切です。

当院では、検査時に嘔吐反射を軽減するために、呼吸方法や、力の抜き方などを丁寧に説明しながら検査をおこなっていきますので安心してください。

苦しさや嘔吐恐怖

胃カメラで死ぬかと思ったというほど、検査がトラウマになってしまった方の中には、検査時に苦しさを感じたり、嘔吐恐怖症で精神的に不安で苦しかったりしたという方もいます。

嘔吐恐怖症とは、その名の通り「嘔吐に対して、強く不安や緊張を感じる状態」です。

胃カメラも嘔吐反射が起こりやすいことから、嘔吐に対して強い不安やストレスを感じ、動機やめまいなどの症状を引き起こすことがあります。

また、実際に胃カメラを受けたことがない方であっても、経験者の話やネット上の情報を見て、「検査で吐いたらどうしよう」と、とても不安になるケースがあります。

このような先入観によって検査前からプレッシャーを感じ、検査中も力が入ってしまい、些細な動きにも敏感に反応してしまうことで、余計に胃カメラに苦しさを感じることになってしまいます。

ゲップを我慢

胃カメラでは、検査で見落としがないようにするために、胃に空気を送って、胃のヒダを拡げる必要があります。空気がたまり、胃が張ってくると、その際に溜まった空気を外に出そうとするためゲップがでます。

胃は袋状の構造をしているため、空気が抜けると、つぶれてしまい、十分に観察ができません。また、空気が少ないと胃のひだ部分の間に病気があっても見逃してしまう恐れがあるため、できるだけゲップは避けることが重要です。

そのため、胃カメラではゲップが出そうになるのを我慢する必要がありますが、それに対して苦手や苦しいと感じる人も多くいます。

のどの違和感

胃カメラの検査後に、「喉が痛い」「風邪を引いたときのような痛みがする」などの症状が出ることもあります。

その理由は、胃カメラ検査では太さのあるスコープが口の中や、喉の奥を通過するため、引っかかったり、擦れたりするためです。

このような症状は基本的に長く続くことはありません。しばらく時間がたてば収まる場合が多いため、多少の痛みが出てもそこまで心配する必要はありません。

特に緊張して体がこわばったり、胃カメラが喉の奥に入っていく恐怖から、舌や喉でカメラを止めようとすると、余計に喉の違和感や痛みは強くなってしまいます。

腹痛

他にも胃カメラで空気を入れ、胃を膨らませる際に、一部の空気が腸に達することでお腹が張って痛みを感じるようなケースもあります。

とはいえ、空気をいれて膨らませないと観察ができませんので、胃の中の空気量を繊細に調節する高度なテクニックが医師には要求されます。

また、検査時間が長くなれば長くなるほど、胃に送る空気の量は多くなる傾向にあります。このように、いかに検査の質を落とさずに短時間で胃カメラをおこなえるかは内視鏡医の腕の見せ所でもあります。

お腹に空気がたまってしまった場合、空気が出たら楽になりますが、一度たまった空気は体の外に出にくいため、検査してから数時間ほど痛みが続くこともあります。

当院では検査終了時には胃の中の空気を可能なかぎり吸引して減らし、胃カメラ後も苦しくならないように心掛けています。

胃カメラのつらさが及ぼす影響 

胃カメラのつらさが及ぼす影響

胃カメラの苦しさや痛みは肉体的や精神的な負担だけでなく、検査の質にも大きな影響を及ぼします。

ここでは、胃カメラのつらさが及ぼす影響を解説します。

検査結果に影響する場合がある

胃カメラで嘔吐反射やゲップを繰り返していると、胃の動きが激しくなり、また、胃を十分に拡げることができないため、胃の観察が困難になります。結果的に微小な病変を見つけられないなど、検査の質を大きく下げてしまいます

また、一度苦しい検査を経験してしまうと、その恐怖がトラウマとして残ってしまい、次の検査の時も過度に緊張し、検査前から自分を精神的に追い込んでしまったりすることもあります。

最悪の場合、医学的に必要であっても胃カメラを避けてしまい、病気の発見が遅れてしまうこともあります。

安全性が低下する

嘔吐反射やゲップは時に、食道と胃の境界に大きな圧力がかかり、胃の粘膜が避けることで出血したりすることがあります。

また、検査の苦しさから、激しく体を動かしたり、自分で胃カメラを抜こうとしたりすることで、内視鏡が予期せぬ動きをしてしまい、胃や食道、喉などを傷つけてしまうことがあります。

胃カメラに限らず、検査で一番大切な事は安全性です。危険になりうると判断した場合は、検査の途中であっても医師の判断で速やかに胃カメラを抜去します。

このように胃カメラ検査の苦痛は、百害あって一利なしです。質の高い検査をするためには、この苦痛を限りなく減らす必要があります。

胃カメラの苦痛を減らす方法 

胃カメラの苦痛を減らす方法

胃カメラを受ける際はできるだけ苦痛を減らし、なおかつ正確な検査を受けたいと考えるのは当然です。ここでは、苦痛の少ない胃カメラを受けるための方法を紹介します。

リラックスする

患者さんご自身でできることで一番大切な事はとにかくリラックスすることです。ゆっくりと深く呼吸をしながら、意識をして全身の力を抜きましょう。検査時間は5~10分ほどです。

口からカメラが入っても鼻で呼吸ができますし、鼻からカメラが入っても口から呼吸ができるため、呼吸ができなくなることはありません。パニックにならず、落ち着いて呼吸をつづけます。

どうしても胃カメラの動きを意識してしまうと、不安や恐怖が大きくなり、少しの動きにも敏感に反応してしまいます。遠くをボーっと見つめ、呼吸に集中することも大切です。

当院では、検査前から体勢や呼吸方法など丁寧に説明していきます。力が抜けていることを確認して検査を始めていきますので、ご安心ください。

鎮静剤を使う

胃カメラの苦痛をできるだけ減らす方法として、最も手っ取り早い方法は、鎮静剤が使える医療機関を選んで検査を受けることです。

鎮静剤とは興奮を鎮めたり、意識をぼんやりさせたりする効果がある薬のことです。細かい話ですが、全身麻酔とは違います。全身麻酔は自分で呼吸もできなくなるぐらい深く眠らせますが、鎮静はぐっすり眠っているぐらいの深さで調整します。

胃カメラは様々なテクニックで苦しさを減らすことはできますが、そもそもの意識を無くしてしまう鎮静には流石にかないません。

鎮静剤を使用することで、意識がボーっとなり、力が抜け、胃カメラを挿入する際の苦痛を軽減することが可能です。効果には個人差がありますが、ほとんどの方は記憶がない状態で検査を終えることができます。

一方で、検査後は鎮静剤の効果が切れるまで、リカバリースペースで少しの間休憩する必要があります(30分~1時間程度)。そのため、検査全体にかかる時間は、その分長くなってしまいます。

ただ、ここで注意しておきたいことは、鎮静といっても使用する薬剤や調整方法は医療機関によってさまざまであるということです。

当院では患者さんごとに、適した薬剤を使用し、実際の薬の効き具合を確認しながら、投与量を微調整していきます。患者さんの意識がなくなって眠ったことを確認してから検査を開始していきます。

「他の医療機関で検査した際に鎮静剤が効かなかった」という相談をよく受けますが、多くの場合は、この薬剤調整が上手くいっていない場合がほとんどです。そのような方も当院での検査では、鎮静剤により苦痛なく検査することができています。

また、超高齢の方や、全身状態や既往歴などによって、鎮静剤を使用できない場合もあるため、不安な方は事前に鎮静剤が受けられるか医療機関に確認しましょう。

実績のある医療機関を選ぶ

色々と説明してきましたが、実際に楽な胃カメラを受ける際に最も大切なことは、胃カメラが得意な医療機関や医師を探すことです。

鎮静剤を使用しない胃カメラ検査では、医師の内視鏡技術が検査の快適さに大きく影響するので特に大切です。

患者さんの苦痛に配慮した医師であれば、検査時にリラックスするためのコツなどを、その場で教えてくれます。「どうやってリラックスするべきか」「今、どのような状況か」「これからどのようなことがおこなうか」など様々な説明により不安を取り除いてくれるはずです。

もちろん、鎮静剤を使用して検査を行う場合でも、鎮静剤の調整が甘かったり、検査により強い刺激が加わったりすると、患者さんが目を覚ましてしまうことがあります。

このような事態にならないためにも、実績のある医療機関から信頼できる医師を探して、胃カメラを受けましょう。

また、実力のある医師を選ぶことで、検査の苦痛を和らげるだけでなく、病気の早期発見や、正確な診断など質の高い検査をうけることができます。

例えば、早期の胃がんは、最新の内視鏡システムを駆使しても見つけるのが難しいことが多いですが、経験を積んだ熟練の医師であれば、早期発見できる確率は高くなります。

最新の内視鏡システムを採用している医療機関を選ぶ

胃カメラ検査の苦痛を軽減するためには、最新の内視鏡システムを採用している医療機関を選ぶこともポイントです。

近年の医療技術の進歩は目覚ましいものがあり、それに伴い検査や治療に使用する医療機器の進化も進んでいます。

内視鏡システムの機能が良ければ、画質が良いだけでなく、様々な最先端技術を搭載しており、質の高い検査を短時間で行うことが可能です。

上野消化器内視鏡クリニックでは、フジフイルム社製の最新の最上位機種である内視鏡システムELUXEO 8000(2024年6月発売)を採用しています。

BLIやLCIなどの独自の特殊光や画像処理機能、デジタルハイビジョン、拡大機能など、あらゆる最新機能を兼ね揃えている機器です。

内視鏡システムの性能は、検査する医師の実力だけでは補えないほど差がでることがあります。胃カメラ検査の際は、医療機関がどのような機器を導入しているかも確認できると好ましいです。

まとめ

胃カメラで死ぬかと思ったという体験談の多くは、嘔吐反射や精神的な緊張、検査後の痛みや不快感などが原因となっています。

胃カメラは上手に検査する医療機関を選ぶことができれば、苦痛がほとんどなく受けられる検査であることをぜひ知ってください。

質の高い検査を受けるためには、内視鏡専門医などの経験豊富な医師を選ぶことや、鎮静剤を使用して検査することもポイントになります。

胃カメラ検査は、ぜひ上野消化器内視鏡クリニックにお任せください。

当院では消化器内視鏡学会専門医が検査を担当しており、経験豊富でどのような状況にも対応できる医師が検査を行います。

また、最新の内視鏡システムを採用しており、通常の検査では認識しにくい小さな病変も見つけることが可能です。

また、平日受診ができない方向けに、当院では土曜日も検査を行っており、前もってご予約いただければ初診で胃カメラ検査が可能です。

胃カメラに不安や恐怖があるという方も、まずはお気軽にお問い合わせください。